NFTコミュニティの魅力とは?3つの事例で見る、新しい仲間と体験
近年、NFTを中心としたコミュニティが生まれています。
それぞれのコミュニティで独自の文化や価値観を形成されており、メンバー限定イベントの開催や、新規プロジェクトの企画・開発への参加、限定コンテンツやグッズの配布など、さまざまな活動が行われています。
本記事では、NFTコミュニティの魅力や具体的な事例の紹介、メリットや参加時の注意点などを詳しく紹介していきます。
NFTコミュニティとは?Web3時代の新しい繋がり
- NFTとは?
- NFTコミュニティとは?従来との違いも解説
NFTやWeb3の登場により、コミュニティは従来のプラットフォーム主導の仕組みから変わりつつあります。
従来のコミュニティは、特定の個人や組織が絶対的な権限を持っていたり、FacebookやX(旧Twitter)などのSNSをベースとしていて管理会社が存在するなど、中央集権的な構造が一般的でした。
しかし現在は、ブロックチェーン技術の活用によって、特定の企業やプラットフォームに依存せず、コミュニティのメンバーが主体となって運営できる分散型の仕組みのNFTコミュニティが増えています。
ここでは、NFTコミュニティの重要性や魅力について詳しく紹介していきます。
NFTとは?
NFTとは「Non Fungible Token」の略で、日本語では非代替性トークンと訳せます。
非代替性と、つまり他とは替えの効かないトークンという意味になります。
例えば上記のように、パイロットのサイン入りのユニフォームは、大量生産された普通の制服と異なる唯一無二の存在です。
他の制服と代替できるものではありません。
NFTにはブロックチェーン技術が用いられており、デジタルデータに対して固有の識別子(他と区別するためのIDや名前、数字など)を付与して唯一無二の存在であることを証明できます。
この技術はコミュニティ形成の用途に限らず、デジタルアート作品や音楽、観光地でのスタンプラリー、メタバースのデジタル資産など、さまざまな場面で活用されています。
ブロックチェーンの技術によって、従来コピーが容易だったデジタルデータに唯一性を付与できるようになりました!
NFTコミュニティとは?従来との違いも解説
NFTコミュニティとは、NFTの所有者や作品に関心を持つ人々によって形成される新しい形のコミュニティです。
従来の個人や組織、SNSをベースとしたコミュニティは、管理者やプラットフォームへの依存度が高く、中央集権的な仕組みのもとに成り立っていました。
そのため、投稿の削除やルールの変更、発信内容の限定、アカウント凍結など、管理者の一存でコミュニティ活動が制限されるケースも少なくありませんでした。
一方、NFTコミュニティではブロックチェーン技術を活用することで、特定の企業や個人に依存しない分散型の運営を実現しています。
NFTやトークンを発行し、その保有数に応じて投票権や発言権を付与したり、コミュニティに貢献した者へのインセンティブを設けるといった仕組みを構築することが可能です。
こうした点は従来のコミュニティにはない特徴であり、今までにない新しい体験を提供できるとして注目を集めています。
日本でも数多くのNFTコミュニティが存在します!
NFTを活用したコミュニティの事例
- 山古志DAO
- Ninja DAO
- FiNANCiE
ここでは、NFTを活用したコミュニティの事例を3つ紹介していきます。
山古志DAO
山古志DAOとは、山古志住民会議がNFTでグローバルなデジタル関係人口を創出するために、2021年12月に発足したコミュニティです。
山古志住民会議は、新潟県長岡市にある山古志地域の現状や将来像、「感謝・復興」等について議論し、地域住民や地域への来訪者に目に見えるソフト・ハード事業を展開して、地域全体の活性化を目指している組織です。
山古志地域は、美しい自然や伝統文化が息づく一方で、アクセスの悪さや、過疎化や高齢化による人材不足といった問題を抱えています。
2004年10月の中越地震被災当時には約2,100人が住んでいましたが、2024年10月時点では700人ほどに減少しています。
人口は年々減少を続けており、村を存続させるための施策が求められていました。
山古志DAOは、具体的な取り組みとして、2021年に電子住民票(法律上の住民にはならない)付きで山古志村の「デジタル村民」になれるNishikigoiNFTを発行しました。
2022年11月24日時点のデジタル村民は1,032名で、これは当時のリアルの住民数794名を大きく超える数字です。
デジタル村民帰省人口(山古志村への来訪・滞在)は延べ約140名を超え、デジタル村民を主体とするプロジェクトの立ち上げやコミュニティの参画が進み、自律的な運営が始まりつつあります。
NishikigoiNFT発売後、山古志村には地域創生を目指す市区町村から多くの関心が寄せられました。
現在山古志DAOでは、デジタル村民に一部の予算執行権限を付与、山古志地域を存続させるためのアイデアプランを募集しデジタル村民の投票によって意思決定するなど、継続的な活動を続けています。
山古志村の取り組みは「デジタル村民」という新しい概念が生まれるきっかけになりました!
Ninja DAO
Ninja DAOは、2021年9月に発足した「CryptoNinja」の公式コミュニティです。
誰でも参加することが可能なNFTコミュニティで、参加者約1.9万人は日本最大規模といえる数字です。
CryptoNinjaの世界観や設定はファンの創造力に委ねられていて、二次創作(ファンアート)でのマネタイズを公式で認めていることに特徴があります。
公式サイトでは、CryptoNinjaのアニメ化プロジェクト「忍ばない!クリプトニンジャ咲耶」や、NinjaDAOのお財布をつくるプロジェクト「CryptoNinja Nouns(CNN)」など、数々のプロジェクトの開発が進んでいる事がわかります。
Ninja DAOは主にDiscord上のチャンネルで運営されています。
暗号資産に関連するYouTubeチャンネルや無料のクリプトリテラシー検定、アニメグッズの販売、メタバースなどさまざまな取り組みが発信されているので、ぜひ一度確認してみてください。
Discord上のチャンネルでは、活発に活動が行われている様子が確認できます!
FiNANCiE
FiNANCiEは、株式会社FiNANCiEが、トークンを活用したエコシステムおよびコミュニティの形成を実現するために、2019年9月より提供しているサービスです。
FiNANCiEでは、ブロックチェーン技術を活用したトークン型のクラウドファンディングサービスを通じて、夢の実現を目指す仕組みを提供しています。
FiNANCiEでは、夢の実現を目指すスポーツチームやクリエイターを「オーナー」、オーナーを支援するファンを「サポーター」と呼びます。
オーナーはトークン(トークン及びコレクションカード)を提供し、サポーターはFiNANCiEポイントをチャージして購入することで支援する仕組みです。
オーナーはトークン保有者が増えて価値が上がる可能性があり、サポーターは保有者限定の体験や特典を受け取れるなど、双方にメリットがあります。
FiNANCiEは、コミュニティをオーナーが自身の夢の実現に向けて活動や報告を行う、またメンバーがオーナーの活動を応援、盛り上げることができる場と位置付けています。
コミュニティには、参加者同士でチャットできる「トーク」や、オーナーやマネージャーから活動支援に対するお礼を受け取ることができる「リワード」機能などがあり、活動を盛り上げるためのさまざまな施策が行われています。
FiNANCiEは事前にプロフィールや活動報告などをみて、気になるコミュニティをフォローまたはトークンを購入することが可能です。
オーナーはスポーツチームやアーティスト、アイドルやYouTubeチャンネル、アニメ作品など多岐にわたり、近年はさまざまなメディアで取り上げられています。
トークン保有者には、限定コンテンツの配信やイベントへの参加などの特典が付帯することがあります!
NFTコミュニティにおけるNFTの役割
- NFTがコミュニティをつなげる理由
- NFT保有による特別な体験
- 匿名性を保ちながら参加できる
NFTはコミュニティのエンゲージメントを高めるツールとして利用されています。
ここでは、NFTコミュニティにおけるNFTの具体的な役割について解説していきます。
NFTがコミュニティをつなげる理由
NFTはコミュニティの参加者同士をつなげる重要な役割を果たしています。
同じプロジェクトのNFTを保有しているメンバー間では、保有者同士の絆や一体感を生み出します。
例えば、ディスコード内でも保有者限定コミュニティがあったり、プロフィール画像をそのNFTにしていたりと、ただディスコードにいるだけのメンバーとはまた違った仲間意識が芽生える可能性があります
こうした共通点は、コミュニティの一体感を高める効果があるといえるでしょう。
ブロックチェーン技術による高い信頼性と透明性も、コミュニティを運営する上での重要な要素の一つです。
メンバーシップの真正性を証明でき、取引履歴も公開されているため、参加者は安心してコミュニティ活動に参加できます。
ブロックチェーンの仕組みは、コミュニティ運営の基盤となっています。
また、NFT保有者にはコミュニティ内でのさまざまな特典や権利が付与されることがあります。
限定イベントへの参加資格や投票権の獲得、新たなNFTの配布など、さまざまなメリットがあります。
こうした仕組みは、コミュニティの活性化と発展につながっています。
ブロックチェーン技術によって、NFTコミュニティは分散型の仕組みを実現しています!
NFT保有による特別な体験
NFTは単なるデジタルアートの枠を超えて、独自の体験や特典を提供する鍵となっています。
NFT保有者は限定コンテンツへのアクセス権やコミュニティ内での投票権、新プロジェクトへの先行参加権など、従来にはなかった特権を享受できます。
そのプロジェクトのNFTを保有していると、次にどんな動きをするかを投票で決める際、投票権を1つもらえることもあります。
さらに、NFTの保有履歴に応じて特典の拡張を取り入れるプロジェクトも増えています。
NFTの長期保有者には追加の特典を提供したり、保有数に応じた特権が与えられるなど、コミュニティに継続的に関与するインセンティブを提供する仕組みの設計も可能です。
ブロックチェーンには過去の行動履歴や保有期間などの情報を記録できます!
匿名性を保ちながら参加できる
NFTコミュニティでは、自身の個人情報を明かさずに匿名性を保ちながら参加することが可能です。
こうした点は、特にプライバシーを重視するユーザーにとって大きな魅力といえるでしょう。
匿名性が保たれる理由の一つに、ブロックチェーン技術の特性があります。
コミュニティメンバーの証となるNFTを保有していれば、本人確認などをしなくても、ウォレットを確認するだけで同じコミュニティメンバーだということを証明できます。
そのため、参加者はデジタルウォレットやユーザー名を用いるだけで、共通の関心を持つ人々とつながることができます。
NFTコミュニティでは、オンライン、オフラインに限らずさまざまなイベントが企画されています!
NFTコミュニティに参加するメリットと魅力
- コミュニティの運営に参加できる
- 限定イベントや特典が楽しめる
- NFTで広がる新しい仲間とのつながり
NFTコミュニティでは、参加者がコミュニティの運営方針を決める投票に参加できたり、限定開催のイベントや特典を通じて仲間を見つけられるなど、さまざまなメリットと魅力があります。
NFTコミュニティは一部の個人や組織が絶対的な権限を持つ中央集権的な仕組みではなく、参加者全員で創り上げる分散型の仕組みを構築することが可能です。
ここでは、それぞれのメリットと魅力について解説していきます。
コミュニティの運営に参加できる
NFTコミュニティは、従来の中央集権的な運営とは異なり、参加者全員で作り上げていく分散型の仕組みを導入できます。
NFT保有者は、コミュニティの重要な意思決定に直接関わることができます。
例えば、新規プロジェクトの考案、コミュニティ資金の使途、運営方針の決定など、さまざまな場面で投票権を行使できます。
この投票権は、NFTやトークンの保有数、コミュニティでの活動履歴などに応じて付与されることが一般的です。
さらに、ブロックチェーンの仕組みを活用することで、より透明性の高い運営が実現できます。
ブロックチェーン上に記録される決定事項や、スマートコントラクトによって自動化された投票システムなど、すべての流れは透明化され、後から追跡することも可能です。
これにより、参加者全員が運営状況を確認でき、公平性が担保されます。
また、参加者自身が新しい提案を行うことも推奨されています。
今後の発展に向けたアイデアの提案や、具体的なプロジェクトの立案など、メンバーの主体的な参加によって、コミュニティは持続的な進化を遂げていくことになるでしょう。
一部の参加者に依存しない分散型の仕組みは、NFTコミュニティの特徴の一つです!
限定イベントや特典が楽しめる
NFT保有者には、コミュニティならではの特典や特別なイベントが提供されることがあります。
例えば、山形県西川町のデジタル住民になる事ができる「デジタル住民票NFT」では、水沢温泉館・大井沢温泉館の入浴料無料(町内在住者を除く)や、保有者限定オンラインコミュニティ・メタバース空間での交流などの特典を、デジタル住民に提供しています。
また、本記事でも紹介したNinja DAOの二次創作プロジェクト「CryptoNinja Partners(CNP)」では、ふるさと納税返礼品「ふるさとCNP」、実店舗での特典提供サービス、CNPトレカなど、NFTの枠を超えた事業開発に取り組んでいます。
このように、NFTは単なるデジタルアートを超えて、現実世界での新しい可能性を広げています。
限定イベントや特典を通じて、よりNFTへの愛着が深まるかもしれませんね!
NFTで広がる新しい仲間とのつながり
NFTを保有する事で、共通の興味や価値観を持つ仲間との出会いを促進する新しい形のつながりを提供します。
同じNFTを保有する人々が集まり、活発に交流することで絆を深める場を生み出すことができるでしょう。
また、NFTコミュニティは国境を越えたつながりを構築できる可能性があります。
共通の関心ごとを通じて、言語や文化の壁を越えた対話ができ、世界中の仲間とつながる貴重な機会を提供します。
こうしたグローバルな交流を通じて、新たな価値観に触れたり、これまでにないチャンスを発見することができます。
NFTは単なるデジタル資産にとどまらず、人々の視野を広げ、つながりを生み出す重要なツールになるかもしれません。
共通のNFTを愛する仲間には親近感がありますよね!
NFTコミュニティに参加する際のポイントや注意点
- スキャムに注意する
- 継続してコミュニティを運営できそうか
- 安全なウォレットを使用する
新しい価値と体験を提供するNFTコミュニティですが、参加時に気をつけるべきポイントや注意点も存在します。
ここでは、NFTコミュニティに参加する際のポイントや注意点を詳しく解説していきます。
スキャムに注意する
NFTコミュニティの中には、スキャム(詐欺行為)を働く人もいます。
NFTコミュニティにおける匿名性は大きなメリットである一方で、同時に詐欺のリスクも高めています。
悪意のあるスキャマーは、この匿名性を利用して、偽のNFTプロジェクトや詐欺の投資話を持ちかけることがあります。
一見健全に見えるコミュニティであっても、その中のメンバー1人の巧妙な手口によって、思わぬ詐欺被害に遭う可能性があるため注意してください。
また、DiscordやX(旧Twitter)などのSNS利用時も注意する必要があります。
メンバーからの突然の投資話や、緊急性を煽るメッセージは、安易に信じたり行動しないことが重要です。
コミュニティ内での個人情報の取り扱いには十分に注意してください!
継続してコミュニティを運営できそうか
主観的な判断を含みますが、参加前にNFTコミュニティが今後も続きそうかどうかという点は確認するようにしましょう。
NFTコミュニティは非中央集権かつ分散型のコミュニティであるため、メンバー1人1人が運営に参加できると説明しましたが、分散型コミュニティの中でもコアメンバーとリーダーは存在し、重要な役割を占めます。
活動を牽引する中心的なメンバーが長期的に継続できるかどうかが、そのNFTコミュニティの存続と発展に関わってきます。
メンバー同士の積極的なコミュニケーションや、オフライン・オンラインの定期的なイベントの開催、新しいコンテンツの発信など、常に発信を続ける事が継続に大事な要素の一つです。
また、NFTコミュニティを選ぶ際は参加者数だけでなく、今までの活動履歴を見ることも重要です。
質の高いリーダーシップと、彼らの過去の実績、明確なロードマップがコミュニティの将来性を示す重要な指標になるでしょう。
参加者の声も参考にしてコミュニティを選んでみてください!
安全なウォレットを使用する
NFTコミュニティに参加してNFTを購入する際には、安全なウォレットを使うようにしましょう。
安全なウォレットを使用しない場合、セキュリティリスクにさらされる可能性があります。
詳細が不明なウォレットや信頼性の低いプラットフォームを利用すると、ハッキングやフィッシング詐欺のターゲットになりやすく、大切な暗号資産を一瞬で失う危険性があるので注意してください。
メタマスクは、暗号資産とNFT取引における信頼性の高いウォレットの一つとして知られています。
ブラウザ拡張機能とスマートフォンアプリの両方に対応し、イーサリアムベースのNFTや暗号資産を安全に管理できます。
メタマスクのセットアップ方法や使い方は下記の記事で詳しく紹介しているので、まだ利用したことない人はぜひ確認してみてください。
ウォレットのパスワードや秘密鍵はコミュニティ内で絶対に明かさないようにしてください!
まとめ
NFTコミュニティは、これまでにない体験や特典を提供する新しい形の集まりです。
ブロックチェーン技術を活用した透明性のある意思決定や、参加者同士の交流、イベント、限定コンテンツなど、多彩な関わり方を可能にしています。
その結果として、デジタルとリアルを結ぶつながりが生まれ、多くの人々に新しい価値をもたらしています。
しかし、NFTコミュニティでは匿名性が確保されている一方で、スキャム被害のリスクも存在します。
セキュリティや情報の管理に注意を払い、適切なプラットフォームを利用して、NFTコミュニティを安全に楽しんでいきましょう。
今日も「NFTコミュニティの魅力とは?3つの事例で見る、新しい仲間と体験」をお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆様の次のご来訪をお待ちしております。どうぞ良いNFT旅をお過ごしください。